2016年1月24日日曜日

弁護士ドットコムインタヴュー


・弁護士になった理由、きっかけ

  中学生の頃、父が、訴訟に巻き込まれた経験を語り、弱者の味方の弁護士に、とアドバイスされたことが動機になっていると思います。

 

・現在の事務所設立までの経緯

  松川事件で著名な弁護士のいる四谷法律事務所で約14年間執務し、その後、非喫煙者の擁護を旗印として、「嫌煙権確立をめざす法律家の会」の拠点として伊佐山法律事務所を設立して約18年、その後曲折を経て、現在の伊佐山総合法律事務所に至っています。

 

・事務所の強み、他の事務所と違うところ

  弁護士、事務局とも明るい雰囲気で相談者・依頼者に接することを心がけています。

他の事務所と違うところといえば、オフィスに電子ピアノを置き、ライブなどに出演したことのある弁護士伊佐山が、打ち合わせや相談などの後のひと時に、ショパンのワルツなど演奏することもあります。

 

・離婚分野を取り扱う上で、弁護士としてもっとも重要なこと

  人間関係のもつれがバックにありますので、精神的痛手を受けている相談者・依頼者への心遣いが重要と考えています。

  

・離婚分野を取り扱う上で、やり甲斐は

  相談者・依頼者が、精神的ダメージから立ち直り、明るく再スタートを切っていく姿を見るときが、離婚分野を扱っていて、一番やりがいを感じるときです。

 

・離婚の中で、取り扱いの多い事案

  女性の依頼者が圧倒的に多いです。中でも、相手の不貞行為を告発し、慰謝料請求をきちんとして、相手に責任意識を感じさせる結果を得ることによって、依頼者の期待に応えられるように力を尽くしています。

 

・印象深い事件、印象深い依頼者

  ある大学の著名な教授が申立人として、妻との離婚を求める婚姻関係調整調停事件で、伊佐山は、相手方の女性(妻)の代理人として調停に臨みました。

  このケースは、妻が自宅の工事中に、工事の職人の男性と二人でお茶を飲んだだけでしたのに、教授が妻の浮気を疑ったというケースでした。教授の思い過ごしの事案で、妻に対する愛情過多が原因と思われました。電車に乗っても、妻の体が他の男性にちょっとでも触れないように、いつも抱きかかえるようにしていた、とのエピソードには、教授の妻に対する愛の深さを感じました。

  小生は、調停外で、教授に長い手紙を何通か差し上げ、早とちりの決めつけで、相手方の教授に対する愛情に変りはなく、むしろ、このような疑念を抱かれ全く納得できないでいるなどとする内容の手紙を差し上げました。

  2通目の手紙までは、返事も頂けなかったのですが、教授の気持ちが徐々に和み、歩み寄りの姿勢をとられ、その後、教授が離婚調停申立を取下げました。調停に拘らず、期日外での説得が功を奏した事案と思います。その後のお二人の幸せを密かに願っています。  

  

・依頼者からもらった嬉しい言葉

  伊佐山に依頼して本当によかったと言って頂いた時は、弁護士冥利に尽き嬉しいですね

 

・相談者・依頼者は何を求めていると思うか

  相手があることですので、一概には言えませんが、早い解決と成果を得ることと思います。

 

・相談者・依頼者は何に満足すると思うか

  過去にけじめをつけ、気持ちの入れ替えが出来るか否かにかかると思います。

 

・離婚に限らず、弁護士としてのやりがい、ポリシーなど

  3つの視点をポリシーとしています。

  1つは、弱者の立場に立つ。

    高校生の時に病気になり、人生躓きのつらさを経験しました。この時のつらい体験が、その後の人生において、障害やハンデを持っている弱者の立場に立つことの大切さを学んだと思います。

  2つは、社会をよくする。

    消費者活動家のラルフ・ネーダー氏は、市民には二つのタイプがあるとして、社会をよくするための活動に尽力するパブリック・シティズンと自分の幸せだけを考えるプライベート・シティズンに分け、パブリック・シティズンを増やそうと呼び掛けています。私は、ネーダー氏と同じような考え方に立ち、非喫煙者の権利を社会的に確立するための市民運動に力を注いできました。新幹線など全国の特急列車に禁煙車両を新設・増設させる裁判などを、主任弁護士としてリードしてきました。

  3つは、多角的な物の見方をする。

    人生いろいろ、人の考え方は様々です。一つの価値観で物事を決めつけるのは危険です。人間力を磨いて、懐を深くして、多角的に人や物を見るという姿勢がとても大事ではないかと思います。

  

・弁護士ってどのような仕事だと思うか

  社会的発言の機会を与えられることが少なくないので、正義感と見識をもって事件処理すること、その他奉仕の精神で社会活動に力を注ぐことと思います。

 

・弁護士(法曹界)に求められていることは何だと思うか

  特に今の時代は、政治も社会も不正がはびこり、弱者に立つ視点がなくなっているように見えます。このような殺伐とした時代だからこそ、決然と社会悪に立ち向かっていく姿勢が、いよいよ弁護士には求められていると思います。

 

・離婚で悩まれる方へのメッセージ

  被害意識を持たないようにというのは無理としても、他方で、「災いを転じて福となす」という余裕のある態度がとれると、結局立ち直りが早いように感じます。

  いろいろな見方をすることは大事ですが、悲観的ではなく、楽観的な態度の方が、また、諦めよりは希望を持つ考え方の方が、人生を拓いていくように思います。「明るさは人間の強さを表す」と言われることがありますが、真理と思います。