2013年5月24日金曜日

騙されるな!憲法96条改正論は“まやかし”であり邪道


憲法改正の手続きを定める96条を改正し、「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議」という要件を緩めようとするのは“まやかし”であり邪道である。
現在、96条を改正しようとする政党や政治家は、その先にある、戦争放棄を定めた9条改正を本当の狙いとしていることは明らかで、非常に姑息であり、それだけに危険である。「国民よ、騙されるな!」と言いたい。
憲法は、国の基本法である。日本の憲法は硬性憲法であり、改正手続きが厳しく定められている。仮に、憲法が容易に改正できることになれば、その時々の権力者の思うように憲法を改正できることになり、国家が不安定になる。だから、権力者を縛る法という意味で、安易な憲法改正ができないようにしている。その意味で、憲法改正の発議のハードルを高くしているのである。
日本の憲法が、世界の中で、特に改正のハードルが高いなどと言われることがあるが、それは嘘である。
アメリカでは、憲法改正の発議をするためには、上下両院それぞれ3分の2以上の賛成が必要である。加えて、50州のうち、4分の3以上の州議会の同意を得えなければならないとされており、日本よりはるかに厳しいといえる。ドイツでは、連邦議会の3分の2以上、連邦参議院の3分の2以上の賛成が必要とされる。それにもかかわらず、アメリカでもドイツでも、憲法の改正はたびたびなされている。
アメリカやドイツの例を見れば、改正手続きが厳しいから、憲法改正が出来ないのだ、という意見は“まやかし”であることがわかる。
諸外国で、改正手続だけを先行して、これに手を付けた例は寡聞にして知らない。
憲法改正論者が、その正当性をいうのであれば、正々堂々と憲法改正全体をどのように考えているのか、真正面から問題提起すべきであって、それを隠して96条の改正手続きを先行させるというのは邪道であり卑怯である。
以上の理由により、96条改正論には断固反対する。